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自分がいつも使っている電車がそろそろ来る時間かと、飛香はスマートフォンを取り出し、時間を確認した。 あと数分で電車が来る。 そう思っていると、駅のホーム内にアナウンスが流れた。 『ただいま、安全確認のため電車が遅れております。お客様にはご迷惑をおかけして…』 やっと暖房の効いた電車に乗れるかと思ったのに、この寒空の下、あと数十分も待たないといけないというのはとてもじゃないが耐えられない。 だが、ここから学校までの距離は駅5つ分もある。 とてもじゃないが自転車や徒歩では着きそうにない。 両親も仕事に行っており、車だって出せない。 仕方がない。 飛香はスマートフォンを取り出し、SNSを起動させた。 『最悪!電車遅れてるんだけど!学校間に合わないよ~…。』 飛香がSNS内でそう呟くと 5分も経たないうちに仲の良い数人の友達から返信が来た。 『私も遅れてるよ~!』 『電車の人たちはいいな~。自転車で通っている私は今から英語科鬼教師、鈴木の授業受けなきゃだよ~!』 駅のホームで呟いた独り言は誰にも反応されないが、ここでは少し呟くだけで反応される。 しかし、だからと言って飛香の心の穴は埋まらなかった。 「寒い…。」 誰にも聞かれていない独り言を呟くと 飛香はマフラーを鼻にまで引き上げた。
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