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2.勝負
「ほーーーん。
そんで、天才のカイト様には足元にも及ばないと。
そーゆー訳ってか!」
高校近くのファミレスは俺たちと同じ様な学校終わりの学生で溢れていた。
その溢れていた人々全員に聞こえるくらいの、デカイ声を荒らげながらタケルが席についた。
俺はその向かいに座る。
「んでさ、タケルはまた何を混ぜてきたんだよ」
ファミレスのドリンクバーでドリンクを混ぜるのはタケルのルーティンだ。
むしろそんな仕事あったら年収1億いくんじゃないかと思うくらい、タケルはファミレスのドリンクを混ぜる混ぜる。
「当ててみねぇか。当てたらこれ奢るわ。」
得意のドヤ顔を晒しながら、タケルはメニュー表の写真を中指で指す。
【ダイナミックチョコレートパフェ】
『チョコパフェ3人前を一つの器に!
更に激甘チョコレートソースを溢れるくらい掛けました!』~3680円~
その瞬間、俺の鼓動はエンジンがかかったようにスピードを上げ、思わず眼を見開いた。
写真が光り輝いて見える。
口にヨダレが溢れたかと思うと、俺の脳と胃は…
いや違う。俺の身体全身がチョコレートを求めた!
その欲求が…血液に乗って四肢の末端まで駆け巡って、脳みそがゾクゾクした。
その間二秒。
俺が校内1の甘党。
特にチョコ好きなのは友人であるタケルはもちろん知っている。
しかもなかなか学生が手を出せない3千円の大台に乗った。
タケル。お前は俺を本気にした。
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