4.チェックメイト

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「はぁーーい。10.9.8.7.…」 タケルがカウントダウンを始めているのを、 俺は自席への帰路の途中で耳にする。 落ち着いて、時間的に回答チャンスは1回 「6.5.4.…」 深呼吸して、敢えて慌てずに豪邸のお嬢様の執事であるかのようにゆっくりと歩みを進めた。 それはタケルには諦めと取れる態度だったかもしれない。 異様ににやけながら、タケルは徐々に声を大きく最後のカウントダウンを叫ぶ………!! 「3.2……」 と、同時に俺は深く店内の空気を肺に入れ 席に座る彼の前に立つと、ハッキリと落ち着いて、タケルに向けて口を開く 「《シェフの日替わりオススメスープ。カレー風味のコンソメスープ。》これが最後の一つだ。」 ごとり…… とタケルのスマホが机に落ちた。 その瞬間、2人の空間だけは静寂だったものだから、その音が無駄にうるさく聞こえた。 「チェックメイト…だろう?」 俺はそんな静けさを裂くように、見た人全員がイラつくようなドヤ顔でタケルを見下ろした。
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