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「Wait a minute! お二人さんっ!」
直仁様とマリーの話が彼女の一声で纏まりかけたその時、マリーが言葉を言い切る前にクロー魔が言葉を被せてきました。
「スーグー? あんた、私との契約を忘れてないでしょうねー?」
直仁様とマリーの間に割って入ったクロー魔が、下から睨め上げる様に彼を見ました。その雰囲気に直仁様は気圧されて数歩後退ります。
「あ……ああ、覚えてるさ。報酬はいくら払えば良いんだ?」
「……Everything about you、スグー? Can you understand?」
後退する直仁様へと更に詰め寄り、超至近距離でクロー魔はそう言い放ちました。流石にその意味が理解出来ない直仁様は、後退する事を止めて疑問を顔に浮かべました。
「……全部……って、全財産……か? まぁ、それなら仕方が……」
「それも含めてー、全部って事よ、スグー? あんたの全ては私の物って事なのー」
楽しそうに、意地の悪そうな笑みを浮かべたクロー魔は、クルリと彼に背を向けました。その視線の先にマリーが捉えられます。マリーは顔を真っ赤にして、ワナワナと震えていました。
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