プロローグ

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それが記者仲間の桐谷ヒカルさんだった。 「……そう。スパを辞めたのね……」 桐谷さんは僕の先を憂いを帯びた目で見つめた。 「どこでも良いんです!どこか良いとこは知らないですかぁっ!」僕も必死の形相だ。 「正直言えばライバルが一人減ったからうれしい所ね。……あら、そんなに落ち込まない。 わたしはレイン君の事を買っているのよ……」 いい取材が出来る記者、如実な記事を書く記者……どこに行っても困らない優秀な人材だと誉めているようだが、僕には皮肉にしか思えなかった。 「『文秋砲』……君も聞いた事がある言葉でしょ?」 ○○砲……最初に使われだした2001年頃の時は良い意味で使われる言葉だったが、最近では「放った一撃が波紋を呼ぶ」悪い意味だ。 「トランヴ砲」と言って、2017年から新しくアメリカ大統領に就任した人物の、主にTwitterでの発言にも使われる場合もしばしばだ。 (公的な場での発言よりもTwitterが多いよう)
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