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周囲の民家に溶け込むぐらい、普通の家に「有限会社鎌倉リサーチ」と掲げられた看板が、砂や雨にまみれてみすぼらしく見えたのだ。
(ここか…)僕の胸には期待と不安がある。
「鎌倉リオルさんは、一見人当たりの悪い人間だけど、取材の腕と経験、勘は確かよ」
桐谷さんから、そう聞いていたのだ。
鬼が出るか、蛇が出るか……僕は心を据えた。
「はーい。有限会社鎌倉リサーチですけど……ぇーと、誰?……来客の予定は無いはずだけど……」
呼び鈴を鳴らして、出てきた人物に僕は驚く。
見た目は女子高生ぐらいの、うら若き乙女だ。
髪はショートカットか、やや長いくらい。目がくりっとしていて、そこそこのモデルさんと比べても遜色無いくらいに綺麗な印象を受けた。
「ぼぼぼ、僕は先程お電話差し上げた近藤レインと申す者です。桐谷ヒカルさんから御社を紹介されて尋ねて参りマシタっ!」
芸能人を近くで観ていても、違う緊張が走る。
逆に、普通に可愛い少女だからだろうか?
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