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ヒガシくんはあっと声を上げ、きょろきょろと周りを見渡した。
「なに?」
「いや、ちょっと思い出したんやけど、この間…って言ったらおかしいけど、ゾロリン貸したときに行ってたやん。世界史の語呂合わせのこと。」
「うん。」
「あれね、違うの。そんなの思いついてないの。」
「え?」
「本当はね、違うこと伝えようと思ったんだけど、廊下のすぐ近くの木の陰に昨日夢に出たおじさんがいてびっくりしてさ、とっさについた嘘。」
「なにそれ。」
「今日はいないから大丈夫。」
ヒガシくんは私の左手を握った。
「本当は――。」
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