湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー

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ホーリーマザー 感想・考察 この話は、前の話「ポイズンドーター」と繋っています。 この話は、弓香の母、佳香の友人の視点から書かれています。 友人は、弓香のしたことは本当に正しいのだろうかと、疑問を持ちます。母親に、本当の気持ちをぶつけたのだろうか、単なる思い込みではなかろうか、母親が反論できないことを逆手にとり、被害者ぶったのではないのかーーと。 そして友人の義母も、似たようなことを思う。もっと酷い親がいるのに、教師になれ、本を読め、友達を選べ、男と遊ぶなってだけで、束縛だの、支配だの言うな、と。 毒親、という言葉に甘えてはいけない、ってことを言ってるんじゃないかな、と思う。叱られただけで、毒親呼ばわりするのは違う。叱責の言葉の裏に隠された感情を、私たち子供は感じ取ってあげるべきではないのか。 でも、だからって、暴力を振るったり、酷いことをさせたりするのはいけない。日々溜まってゆくストレスを、叱責の言葉に、行動にのせてはならない。子供だって重さは違えどストレスはかかってるんだから。 結局のところ、お互いがお互いを理解しなければ、いい関係というものは築けない。 娘は、毒親という言葉に甘えてはならない。 親は、自分の立場に甘えてはならない。 難しいことだけど、それが大切なんじゃないかなって思える話でした。
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