湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー

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罪深き女 感想・考察 これは、人を殺し怪我させた男と、男の過去に関わる女(とその母)の話なんですけど、うん、とにかく怖かったです。 女は幼少期の男の話と、自分がしてしまったことについて語り始めます。 女が語ったのは、「母から虐待を受けていた男を助け、私は彼のことを弟のように思っていました。そして、私は彼に対する裏切り行為をしました。だから彼がこのような凶行に走ってしまったのです。すべては私が悪いのです。私を、罰してくださいーー」ということ。 そして警察官は、男に、女の話を記録したレコーダーを聞かせます。 すると、男は、「誰?それ?」と言いました。 ここまで読んだ山茶花「( ゚д゚)!?」 どうやら、男は虐待を受けていたわけではなく、女の母親から嫌がらせの電話がかかってきたから、気配を消して生活していただけ。 女は、男が男の母親の交際相手からよく思われていないと思っていたそうだが、交際相手は男を可愛がってくれていた。 優しかった男の母親が変貌したのは、顔に怪我を負わされた上、職場に児童虐待を告発する文書が届き、交際相手がノイローゼ気味になって、婚約がなしになったから。 女は自分の母親から異性と付き合うなと言われたが、異性と付き合う。しかしそれがばれて母親にぶたれる。女はそれを男のせいだと思う。だが、母親に告げ口したのは男ではない。 男は母親の暴力に耐えられず、放火をするが、女はその動機を自分のせいだと思い込む。(当然女とは何の関係もない) 女は久しぶりに男に再会して男に話しかけるが、男は女の正体に気づかず、むしろ変な女が近づいてきたな、と思ったくらい。 っというとんでもないどんでん返しがありました。そう、すべては女の勘違い、思い込みによるもの。 思い込みや勘違いの怖さを実感させられるかのような話でした。 ふざけた動機で人を殺した男もクズいですが…… 思い込むだけなら自由ですが、勝手な推測だけで行動するのはあまり宜しくないですね。
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