苦 v.s 甘

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本来なら、自分で淹れてもらうものだが、彼は今、大きな仕事を抱えている。 だから今、彼は一分、一秒でも時間が惜しいのだろう。 そこに、個人の感情を勝手に差し挟む訳にはいかないことぐらいは理解している。 多少不本意だが、黙って私は二つのマグカップにコーヒーを注いだ。 その片方に、言われた通りスティックシュガーを入れる。 「──どうぞ」 「あぁ、ありがとう」 PCから目を離さないまま、彼はマグカップを受け取った。 私は彼に背を向け、席に戻ろうとした。──が。
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