時期外れの御歳暮

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次の年は失敗を糧に百貨店を巡った。 洋菓子売り場にはたくさんの女性たちが群がっている。 長蛇の列が並んでいるお店もたくさん。最後尾が見えないくらい。 私は比較的空いている店を回った。 こういうバレンタイン用のものってちょっとしか入ってないのに高いんだよな。 そうそう、こんな感じだった。小さい入れ物でリボンがしてあって…。 一個500円…。 一番小さいのでも300円…。 昔は本命に1個だけ準備して、友達には手作りのチョコレートを渡していたから金銭感覚にずれが生じる。 巡り巡って200円のチョコを発見できたけどまるで箱代だわ。 でも課長には少し高いほうがいいだろうなあ。 部長はさらにもう少し高いチョコ? 悩んだ結果、300円を8個、500円を1個、800円を1個。 チョコレートだけで4000円近く出費なんて…。 「あれ?南條さん?」 振り返ると総務課の結城さん。 この人はうちの会社一の美人さんで、りかちゃん人形並みにスタイルの良い人。 その手にはたくさんの紙袋をひっかけていた。
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