時期外れの御歳暮

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「南條さんもチョコレート買いにきたの?」 「はい…。結城さん大荷物ですね。」 「そうなの。経理部はどこの部署とも関わりあるから、みんなに配らなきゃいけないからね~。」 全員分!?経理部じゃなくてよかった。それにしても多くない? 「ああ、これ?男友達の分と~あと今度の連休合コンの予定が入っちゃって、一応配らなきゃ~と思って。」 顔を合わせたことのない人の分まで!?美人さんは大変だなあ。 「ヤな出費よね~。でもイベントだから仕方がないかあ。」 住む世界が違うというのはこういうことか。 その年…去年のバレンタインはこうして無事に終えたと思った。 しかし結城さんのチョコレートに驚いた。ゴディバだ。高級チョコレートだ。 隣の席の同期の今井の話では2粒しか入ってないけど私が用意したものと値段は変わらないものらしい。 「南條さんのチョコと値段一緒だけど格が違うよね。南條さんのもおいしいよ、ありがとうね。」 コイツはなんでもすぐネットで調べやがる。そんな暇があったら企画書の一つでも出しやがれ。
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