恋つらら。

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譲を寒空の中、 一時間も待ってたんだよ。 チョコを渡したくて、10年の想いを伝えたくて、探しに来たんだよ。 本当は今こそ、そう言わなきゃいけないのに。今がそのタイミングなのにーーー。 私は、なぜかチョコ隠してしまった。 その時だ。 北風が私達の間をひゅるっーと音を立てて吹いてきた。 「寒っ……」 「寒いな~。帰るか。お前、誰か待ってんの?」 「あ……ううん」 あんたを待ってたとは、とても言えない。 「用済んでるなら、一緒に帰ろうぜ」 「あ、でも……待ち合わせしてるんでしょ?」 「誰と?」 「誰とって……さっきの子に言ってたじゃん。す、好きな子と約束してるって」 雪は好きなのところで言葉が詰まりそうになりながらも、やっとの思いで言葉を繋いだ。 動揺してるの、譲にバレちゃったかな。 「あ~ああ。それは、口実。俺、好きなやつからしか、チョコ欲しくないしさ。……けど、マジでビックリしたな」 「?」 「…………本当にお前に会えるなんてさ」 「え?」 譲は瞬きもせずに雪を見つめてくる。 雪はその言葉の意味に気がついた瞬間、顔が真っ赤になり、俯いてしまう。 『好きなやつ、いるんだ』 『この後、そいつと会う約束してる』 って、ことは。 譲の好きなひとってーーー。 雪が譲にそれを確認しようと、口を開いた時、雪のスマフォがまたもや大音量で鳴り出す。 「…………」
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