突然起こった悲劇

3/9
前へ
/9ページ
次へ
 こういう時、いつもは夕方になると、西日が当たって暑いぐらいのこの席も、役に立つ。  椅子に座ったまま、キャスターを滑らせ、背後にある窓へと俺は辿り着いた。  無精で行儀が悪いとは思いつつも、俺は椅子に座ったまま窓を開ける。  暖房の効いた室内に、爽やかな風が吹き込む。  なんだか少し、ホッとした。  頭もスッキリするような気がする。  俺は小さく息をつき、これからのことを脳内でシュミレーションする。  さぁ、どうしたものか。  終業時間までこのままでいるべきか。  だが、あと一時間以上も放置しておくべき問題ではないし、何より俺自身、今すぐにでも対処したい。  とはいえ、一体、誰に助けを求める?  こんなことがバレたら、俺はこの会社にいられなくなる。  やばい。  やばいぞ……  信頼できる誰かに……
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加