最凶にして最悪なミッション

突然起こった悲劇

「うっ……」

　まずい。

　女性は冷え性な人が多いし、体を冷やしてはいけない。

　無言の圧力を感じ、俺は静かに窓を閉めようとしたが、そうなると、困った事になる。

　早急に、ついさっき起きた問題を解決しなくては俺の沽券に関わる。

　どうしよう……

　ふと視線をズラすと、自分のデスクの上に茶色の小さな箱が目に入った。

「あ……」

　それは、部長の神戸土産。

　石畳をモチーフにした生チョコレートだ。

　そうだ。

　そうだよ。

　これがあるじゃないか！！

　俺は自分で自分を褒めてやりたい気持ちになった。

　これで全ては解決だ。