突然起こった悲劇

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「大丈夫ですか?」 「課長っ!」  あまりにも激しく転んだ俺のことを笑う余裕もなく、皆が心配して駆け寄ってくれようとするのを、「大丈夫っ! みんな、俺のことはいいから、仕事を続けてっ!」と制する。  大きな声を出してしまったせいか、皆、チラチラと俺のことを気にかけながらも、仕事へと戻る。  そう。  それでいい。  皆は自分の仕事に集中していてくれればそれでいいんだ。  俺のことは気にするな。  もうこれで。  自分のケツは自分で拭く。  それが男ってもんだろ?  何事もなかったかのような顔で立ち上がろうとした時、俺はしっかりと確認した。
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