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パフェの入っていたグラスの底が見え始めてもまだ、彼は本題に入ろうとしない。
「……ねえ。そろそろ本題に入ってくれない?」
自分から聞くことにした。
それでも、彼はなかなか話そうとしない。
何かを言おうとして私の方を見ては、視線を落とし、水を飲む。
そんなことを繰り返している。
そんなに言いにくい悩みなのだろうか。
「ねえどうしたの?なにかあった?」
ここまで聞いて、彼はようやく口を開いた。
「なあ、俺、バレンタインにチョコレートをもらえると思うか?」
それはもう、真剣な顔で。
……あんたもか。
私は大きなため息をついた。
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