カフェテリアにて

6/6
前へ
/15ページ
次へ
そんな彼をほほえましく見ながら、 何も言わずに彼女がチョコレートを渡しても、彼はこんな風に悩むかもしれないな…… そう思った。 そして、彼女もそう思ったのかもしれない。 なんだ。どっちもどっちじゃない。 ん?というか、そんなに好きなら 「あんたがチョコレートをあげればいいじゃない」 思わず口に出していた。 「え?」 彼が驚いた顔でこっちを見る。 「……ああ。ごめん。そういうことじゃないのよね?きっと」 また「からかうな」と言われる気がして、先に謝る。 しかし、彼の反応はそうではなかった。 「それだ!」 ……え? 「いやー佳奈。お前たまにはいいこと言うな!」 これならどっちも困らないし。ほんとナイスだ! なにか一人で納得している。 そして、 「ありがとう!相談してよかった!」 そういって彼は帰って行った。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加