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そんな彼をほほえましく見ながら、
何も言わずに彼女がチョコレートを渡しても、彼はこんな風に悩むかもしれないな……
そう思った。
そして、彼女もそう思ったのかもしれない。
なんだ。どっちもどっちじゃない。
ん?というか、そんなに好きなら
「あんたがチョコレートをあげればいいじゃない」
思わず口に出していた。
「え?」
彼が驚いた顔でこっちを見る。
「……ああ。ごめん。そういうことじゃないのよね?きっと」
また「からかうな」と言われる気がして、先に謝る。
しかし、彼の反応はそうではなかった。
「それだ!」
……え?
「いやー佳奈。お前たまにはいいこと言うな!」
これならどっちも困らないし。ほんとナイスだ!
なにか一人で納得している。
そして、
「ありがとう!相談してよかった!」
そういって彼は帰って行った。
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