ジョハリとポテクト

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春節夜、身体が冷え込む。 雪の肌ように白いジョハリの頬に助手席のポテクトは見惚れていた。 「見てたの?」 ジョハリがふと尋ねる。 転瞬。ポテクトは彼の心を見据える。 「君はあの日も僕の弱さを奪った。」 言うか言わずか対岸の香港港で春節を祝う花火が夜空に打ち上がり、大勢の人が視線を向けている。 微笑みながらガリュのエンジンをそっと掛けるジョハリ。 目的地は全くの白紙。 真っ直ぐな海岸沿いの、それは世界の果ての果て。 二人なら何処まででも行ける。                                                         
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