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「さて。フィリアさん出てきて下さい」
「ふぅ……やっと出られたわ」
「お疲れ様です」
「これからカズキはどうするの?」
「うーん。行く宛も無いんで聡の居る王国に行こうと思ってます」
「そう。魔物とかも居るから気を付けてね」
「えっとですね………………フィリアさん……あのですねもし宜しければ王国の近くまで一緒に来てくれませんか?」
「森からも無事出られたし良いわよ。ただし少しだけ血飲ませてくれない?」
血を飲ませてってまさか、噛まれたら俺もヴァンパイアになっちゃうとかないよね?
「良いですけど、なんか俺に変なこと起きないですよね?」
「大丈夫、大丈夫!なんにもならないから」
「なら程々にどうぞ」
「でわいただきます」
フィリアさんは俺の腕に噛みつくとちゅちゅと血を飲み始めた。案外痛くないんだなぁ
痛いというよりちょっとくすぐったい位だしむしろ気持ちいい……………………しかもエロい!!考えてほしい!美人さんが自分の腕をちゅちゅしてるんだ!!こんなご褒美素晴らしい!
「んっん…………美味しかったわ。ありがとう」
「いえいえ」
「それじゃぁ王国に行きましょうか」
王国に向けて歩き出そうとしたら突然、視界が高くなっていった。羽を生やしたフィリアさんが後ろから抱きつく形で俺を持ち飛んでいる。
「おぉすっげぇ!!!空飛んでる!」
「怖くないのか?」
「いや、怖いですけどこんな綺麗な景色見れるなら…………」
目の前にはちょうど朝日が顔を出し始め、見える先には緑豊かな平原、川、林、遠くには大きな建物、地球に居たときなら自然を観たぐらいじゃ感動とか皆無だったが、こうも人の手があまり加わってないありのままの自然を朝日をバックに観れたこの感動に比べたらちっぽけな怖さなんてどうでも良くなるな。
「やっぱりカズキって変わってるわね」
「良く言われます……」
「ふふ。さぁしっかり掴まってね」
「はい!」
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