結衣の場合

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「美味しい…幸せ!!」 美央の挙式の打ち合わせで来ていたホテルのレストランで 結衣は本当に幸せそうな顔でケーキを頬張っている。 「結衣、何か興味のあることないの?  一生続けていける仕事見つけないと…  今は結婚したって働かなきゃならない時代なんだし…」 「一生って…お姉ちゃんは真面目すぎるんだって!  そのうち見つけるから」 ケーキを口に運ぶ手を止めることなく、結衣はあっけらかんとそう言った。 「あんたもう26なんだし  そんなに毎日毎日食べてばっかりじゃ…  …そうだ、ケーキ屋さんとかは?  バイトから始めて、パティシエとかになれば?」 結衣は甘いものが大好きで 毎日のようにテーブルにはチョコレート菓子を広げていた。 羨ましいことに、これだけ食べても太らない体質のようだった。 「それもありかもね……あ!  契約社員募集、未経験者OKだって。  受けてみようかな」 この即決力…性格も美央とは正反対だった。 結衣はそのホテルのレストランの求人にその日のうちに応募し トントン拍子に話は進み、採用されたのだった。
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