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「重本さん、あなたの教育担当は私ですから」
「はぁ…」
「あなた、研修初日の今日は何を学習したの?」
学習も何も…卵を割り続けたり、言われることをただこなしていただけだ。
西山さんからは、明日からきちんと教えると言われていた。
「取り敢えず、皆さんの名前を覚えるところから始めようかと…」
そう言うと、山田は鼻で笑った。
「当然もう全員覚えたわよね?
デザートエリアで男性従業員と楽しそうにしてたものね?」
…はぁ?
ついムッとした目で山田を見ると
「覚えてもらう仕事は山ほどありますからね!
取り敢えず、明日までには従業員の名前と顔は一致させて下さい。」
お疲れ様、と言って山田は厨房の奥へと消えていった。
厨房をざっと見渡すだけで30人以上はいるだろう
明日までにって…
自宅でできることじゃないだろ。
あたしは取り敢えずデザートエリアの人達と
その他のエリアの名前が判らない人達の立ち位置と特徴を忘れないうちに、ノートにメモを取った。
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