九番煎じ

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渡された台本をぱらぱらと捲りしばらく目を通すとおっちゃんは監督を呼び出した 「あの~監督、この最終回なんだけどさ、最後もっとメチャクチャな感じで終わった方が良いと思うんだけど」 『え?メチャクチャな感じですか、、うーん』 台本に書かれている最終回の結末とは おっちゃんが独り部屋で寝ていると借金取りが突然部屋のドアをこじ開け中へ入りおっちゃんは拐われるという結末だ 「私も一応長年役者やってるもんでさ、長年の勘ってやつかな」 『うーん、、一応脚本家の方と相談してみます』 しばらくすると監督は新しい台本を手に戻ってきた おっちゃんは再び台本に目を通すとニコリと微笑んだ 「フフッ!これはいい、これなら良い演技ができそうだ」 『喜んでいただけましたか!!それでは鬼山田さん撮影始めましょうか』 こうして おっちゃんは部屋のセットへと移動し最終回の撮影はスタートした
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