レイ 2.0

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 怜がフレデリックに名前を告げた男だった。そしてサイキとの関係も深く、おそらくルガーLCPを渡すには何の問題もない、アメリカ陸軍中将その人であった。  そして、怜は彼との面識がなかった。これほどまでにフレデリックが早く動かなければ、サイキとの関係上この中将に会いに行く時間があったはずだ。  だが、フレデリックは追及の手を緩めなかった。  怜がふとした風を感じたように、人ごみの中を移動してきたガーウィンに目をやる。そしてその隣の人物を見て、軍人であることを感じた瞬間に、男の計略を思い知った。もはや取り繕いすら許されないと看破する。  ここまでする男の執念を、怜は計算できていなかった。  男が苛烈なのか、それとも怜が甘かったのか。それとも双方か。完全に今や青年は後手に回っていたといえる。  面白いことに、パーティーに来ていた者達は、無言で二人の様子を見ていた。軽食も会場内の一部には用意されており、飲み物も出回っているそれに誰も目をやらず、男と青年を見つめる。これから何があるのかと。  いつの間にか、フレコが怜の横に来ていた。フレデリックは決して腕を離そうとしないまま、ウェイン・グランジュと青年を引き合わせていた。
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