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「どうでしたかっ?」
エツがまず声をかける。
これは自信のある証拠。
「良かったよ」
あっさりとお褒めの言葉を貰って、「やったっ!」と喜ぶ。
さすがアイドル、絵になってる。
「ニコは、サビ前歌いにくそうだったけど…?」
「…ええ、まぁ…」
ニコは、半分ガチガチに編み上げられた髪に手を伸ばして、止まる。
「その衣装、気に入らないのか?」
際ッきわまでスリットの入ったロングスカートは、クールビューティなニコにすごく似合っている。
しかし、踊りにくいと零(こぼ)していた。
サビ前のBメロは、ステップの複雑なダンス。
新曲は『sparkling』なのだから、ダンスが弾けるのは当然だし。
「…そんなの、今更ですよ…」
アッチを向いて呟くニコを、深見さんは慣れた様子で流した。
次は、私の番。
「チヅは…楽屋に行こうか」
「…ハイ」
だよね。
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