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夏の日の天気の良い午前中、お腹が鳴る頃まで芽衣さんは絵を描き、私は隣で持っていた本を読んだり、スケッチブックを覗いたりして過ごした。
だけど一週間もすると芽衣さんのスケッチは終了した。
それからは公園に行っても会えず、私はまた一人で公園にいる事になった。
なんだかつまらなくて、淋しかった……。
家を知らないし、知っていて押し掛けるのも悪いし、変な気がして、学校が始まってから留衣を探した。
見付けて直ぐに話かけ、家まで遊びに行けるように強引に話を進め、芽衣さんに会いに行った。
芽衣さんは喜んで迎えてくれたし、戸惑っていた留衣も笑顔を見せた。既に公平が友達枠に収まってた。
が、学校内で私が浮いている事を知っていた公平は私が笑っている事に驚いて目を丸くし、芽衣さん目当てだと判ると
「芽衣さんは俺のだからな!」
などとふざけた事を言い
「俺の母親だ!」
と留衣に怒突かれてた。
私が留衣を利用しただけだと知っても
「母が友達は大切にしろって言った。
だけど、母は俺んだからな!」
なんて拗ねた様で言うものだから、私は男に興味無い!と反論しつつも『友達』と言う言葉に少し嬉しく思った。
芽衣さんと会えるのだもの、友達のいない私を友達と言ってくれるのがその息子なんだから……芽衣さんと友達になれた気がして嬉しかったのだ。
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