【1】秘密の恋人

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私の転居先が見つけられないのかと、少々秘密の恋人にガッカリしていた。 「そんな事よりも!」 するとポンポンと張り切って私の肩を叩く三木さん。 三木 美樹さんは新婚ホヤホヤのアラサーで、この丘台に住むマダム。 と言ってもまだ新婚だから、この場所に越してきてもホヤホヤだ。 元が一般家庭出身だから、私とも気さくに話してくれる心優しき同僚なのだ。 「今日も来たわ。」 ムフフと意味深な笑顔で三木さんが耳元で囁く。 「はあ…、そうみたいですね。」 私は全く興味を持つ事もなくテンション低めで答えた。 自動ドアを通って真っ直ぐ受付に向かってくる彼。 その彼が今三木さんの急上昇ランキング一位の人物。 「お願いします…。」 静かに診察券を差し出す彼。 私は無言でそれを受け取ると、くるりと背を向けて彼のカルテを探していく。 月村…、 月村…っと、 あった。 .
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