【1】秘密の恋人

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「月村さんて透子ちゃんの事が好きなのかしら?」 「は…?」 昼休憩の最中、三木さんが恐ろしい事を口走る。 「だって透子ちゃんにだけよ。」 「な、何がですか?」 途端に寒気と震えが起こり、ゴホゴホと風邪症状のような私。 「診察券渡すの。」 なんだ…、そんなくだらない事か…。 「たまたまですよ。」 「そうかなー?」 「そうですよ。」 私は昼ご飯であるよっちゃんイカを、ポイポイと口に運んだ。 「よく飽きないわね。」 すると看護師の吉崎さん。 「身体に悪いわよ。」 「いいんです。昼ご飯にはお菓子を食べるって、昔からの決め事なんです。」 私はうまい棒サラミ味をバリボリと乱暴に食べ始め、吉崎さんは呆れて黙り込んだ。 .
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