【1】秘密の恋人

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だからイケメンて嫌いよ…。 私は理不尽な理由でイケメン嫌悪が悪化し、ムスッと顔を顰める。 「その顔…、いつもしてる。」 「そんな事ないです!」 イライラしてつっけんどんな態度で否定しつつも、そう言えば彼の前ではいつも兄を思い出して不愉快になっていた。 あー、面倒くさい。 「この度はご迷惑をお掛けしてしまってすみません。でももう大丈夫ですので。」 本当に面倒くさいのは自分であって、彼は親切に助けてくれただけ。 それでも棒読み口調でこの展開を終わりに持っていくのは、早くこの場から立ち去りたいからだ。 私は彼に頭を下げると、身体は早々と自宅へと向きを変えていく。 「あ、待って…!」 けれど彼はそんな私を引き止める。 ガサゴソと自分のカードケースから四角い紙を取り出すと、それを無理やり私の手に押し付ける。 「何かあったら連絡して。」 はい? .
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