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この最高に気色悪い手紙は、私の高校時代のものだ。
そしてこの得体の知れないストーカーからの手紙は、私が高校入学時に始まり、今現在も継続中だ。
けれど私は待ち遠しく思っている。
世間一般には最高に気色悪い手紙でも、私にとって最高に愛しいものだからだ。
そして今日もまたポストをドキドキしながら覗き込む。
『愛しい透子さんへ
昨日はあなたの23歳の誕生日でしたね。
遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。
心から愛しています。
そして毎年ながら心よりご両親に感謝致します。
ありがとうございます。
けれどあなたは本当は誕生日どころではなかったんじゃないですか?
あのシスコン野郎が家を出てしまいましたね。
僕はあのシスコン野郎がいなくなって実はせいせいしているんです。
あなたの近くにいる男は誰でも憎らしい。
殺してしまいたい程に。
すみません、あなたのお兄さまなのに。
でも憎らしいのです。
23歳のあなたを心から愛する者、あなたの秘密の恋人より』
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