【1】秘密の恋人

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『おい!テメーが四宮に何を言ったか知らねーけど、今ここに四宮が来てんだよ!』 「ふーん、そうなんだ。」 手紙の余韻も虚しく、今度は幼馴染からの電話だった。 元駄菓子屋の息子、海外赴任中の幼馴染。 兄と同級生だった間宮 美幸の元へ、兄は遥々ニューヨークまで家出をしたらしい。 その間宮 美幸から私の携帯にわざわざ怒りの電話がかかってきて、この状況をどうにかしろと言う。 『四宮の奴女装なんかして来たから、こっちはいい迷惑。 会社で噂になってんだよ。』 「そりゃ売れっ子モデルなんだから変装は当たり前でしょ。 とにかく私にどうにかしろとか無理だから!」 私は容赦なく通話を切断。 兄もウザイけど、その友人である間宮 美幸も十分ウザイ。 私は昔から兄もその友人も大嫌いだった。 キラキラと振り撒かれる美貌。 あ、そっか。 私はイケメンというジャンルが心底嫌いなんだ。 .
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