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『おい!テメーが四宮に何を言ったか知らねーけど、今ここに四宮が来てんだよ!』
「ふーん、そうなんだ。」
手紙の余韻も虚しく、今度は幼馴染からの電話だった。
元駄菓子屋の息子、海外赴任中の幼馴染。
兄と同級生だった間宮 美幸の元へ、兄は遥々ニューヨークまで家出をしたらしい。
その間宮 美幸から私の携帯にわざわざ怒りの電話がかかってきて、この状況をどうにかしろと言う。
『四宮の奴女装なんかして来たから、こっちはいい迷惑。
会社で噂になってんだよ。』
「そりゃ売れっ子モデルなんだから変装は当たり前でしょ。
とにかく私にどうにかしろとか無理だから!」
私は容赦なく通話を切断。
兄もウザイけど、その友人である間宮 美幸も十分ウザイ。
私は昔から兄もその友人も大嫌いだった。
キラキラと振り撒かれる美貌。
あ、そっか。
私はイケメンというジャンルが心底嫌いなんだ。
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