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ああ、まただ。僕はまた存在するはずのない人間の構築を無意識にしてしまった。これで百人は超しただろうか。数えたわけではないけれど。 他人に興味を示すことのない人生を送っているらしい僕にとって全く関係のない人たちを一人ずつ分析していくと、無限に溜息をつきたくなる。僕の周りには本当に生きる知恵のない人間が多い。何故そうしてまで生き辛い日々を送っているのか、不思議だ。 こうして、ああして、こうなって、ああなって。頭の中で描いた状況を何故現実化していくことが出来ないのか。出来ないのであれば、考えることなんて必要ないじゃないか。その場で判断し、行動するだけで良いじゃないか。そうすれば、失敗するということもないだろう。だってそれは、世間一般でいう失敗という名の、新たな道でしかないからだ。 新たな道を模索し続ける人たちに問いたい。何故そこまで気負う必要があるのですか、と。 だって、あなたは生きるために生まれてきたわけじゃないだろう。生まれてしまったから、生きていくしかないだけだ。 誰もが華々しく綺麗な世界、豊かで穏やかな世界に憧れるのだろう。せっかく一度きりの人生なんだから、素敵な人生を送りたい。そう思う。 素敵な人生って何だ? 生きていること自体がすでに奇跡で、神秘だ。 目を閉じると、僕はまた新たな存在を生み出すんだ。僕はもう百人を超す存在しない人間の人生を豊かにも不幸にもしてきた。でもそれは罪じゃない。存在しないから。
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