ある事に気がついた

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 想像したら恐ろしいが、浩行は可笑しそうに笑った。 「そっちだったらいいよ。楽しそうじゃん」  ……懲りてない。  呆れる俺を眺め遣って、「そうだ」と浩行は声をあげた。 「今日行った映画館で、あれやってたんだ。お前が観たいって言ってた映画。時間確認してきたから、明日一緒に行こうぜ」  楽しげに言う友人に「だから、フラれる原因はそこだって」と突っ込んでやりたかったが、やめた。  俺達はきっと、2人でいる限り女とは長続きしない。  だが、溜まったものを吐き出すために、これからも女と『付き合っては別れ』を繰り返すのだろう。  一瞬、浩行を抱く自分を想像しかけて、慌てて頭を振った。  女の魅力に気付くのが早いか、過ちに陥るのが早いか……。  そんなに遠くないだろう未来の過ちに、俺はゴクリと唾を飲み込み、渇いた咽喉をビールで潤した。
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