Prelude...

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ただ単に、女子高生の間で流行ったキャラクターというだけのことだったのか……? 『のりたまこ』は私が期待していたようなものではなかったようだ。想定していた残念な方の結果になりそうで、私は失意のまま、肩を落とす。 そして熱燗をひっくり返してお猪口に残りの酒を入れる。 ……いや、待てよ? ……ひっくり返す? 私はもう一度そのメモ帳を手にして、そのままひっくり返してその絵を反対にして見ようとした時だった。 大将が大きな咳払いをして、私はハッと視線を上げる。するとあいつがトイレから戻ってこちらに向かってきていた。 私は慌てて、メモ帳にスケルトンの名刺を挟んで閉じ、タコ糸でぐるぐる巻きにして鞄の中にそれをしまい、元の位置に戻す。
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