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私の頭の中には今、2つの異なる違和感が駆け巡っていた。
1つは、私は毎日のように『のりたまこ』という単語を耳にするということ。
役所勤めの私より、女子校の教師であるこいつはもっとそのことを知ってていいはずだ。
そしてもう1つは…
「それより、ちょっとトイレ行きたいんだけど、久しぶりに連れションでもするか?」
「いや、学生じゃないんだから遠慮しとくよ」
「なんだよ、つれねぇな」
薄く笑って私の肩を叩くと、こいつは「その気があったら遠慮することなく来いよ」なんて意味深なことを言ってトイレへと向かっていった。
私はその後ろ姿を見送り、視界からいなくなるのを確認すると急いで彼の鞄を手に取り、中を開けた。
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