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私が感じたもう1つの違和感…
それはあいつの視線だ。
『のりたまこ』という単語を出した後、無意識だと思うが、あいつはちらちらと鞄の方に目をやっていた。
何か、隠してる…そう確信したのだ。
目を凝らして鞄の中を確認すると、なぜかタコ糸でぐるぐる巻きにされている一冊のメモ帳が目に入った。
直感でこれだと感じた私は早る気持ちを落ち着かせながら、そのタコ糸を解いていった。
するとメモ帳からするっと何かがヒラヒラっと床に落ちた。
私はそれを拾い上げて確認すると、それは1枚のあいつの名刺だった。
なぜか裏が透けて見えるスケルトン仕様。
だけど、肩書きやアドレス等は特段、気になる所はなく、私は再びタコ糸を解いていき、ついに解き終えた。
一度、トイレの方を見る。
大丈夫、まだ時間はある。
私は一度呼吸を落ち着かせて、メモ帳をめくってみた。
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