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「大丈夫?直人。すっごい音したけど」
バンと浴室のドアがあいて顔を覗かせるカナさん。
ああ、しっかり普通にセーターとジーンズをお召しです。
「ゴメン、立ったまま居眠りしたみたいだ」
やっぱ夢を見てたのね、俺。
「気をつけて。あ、ゴメン」
ん?
なんで照れる?
わ。
俺大股開き。
思わず正座。
タオルを股間にパサリ。
「重ね重ねゴメン」
何なんだ俺。
「もう上がるから」
前を隠しながら立ち上がると、
「下着ここ置くね。そのまま寝室に来て。
少し足マッサージする」
はい。
………ホントはカナさんに余計な仕事、しかもただでさせるのヤなんだけど。
体拭いたらパンツだけ履いて寝室に向かう。
彼女はカリスマセラピストで化粧品開発部長。
今までだって息着く間もないくらい忙しかったのに、既に殺人的になっている。
だけど、やるといったら彼女は譲らないから。
無駄に気を使ったり説得に時間をかけたりするより、思う通りにさせた方が彼女の負担にならないことに最近やっと気づいた。
「お待たせ、カナ」
「準備出来てる。俯せに寝て」
言われたようにベッドに転がる。
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