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「11日はね。それらしいの」
「はい?」
「だから。満月」
なんか。
謎めいた話だ。
カナさんもよくわからないみたいだし。
首を傾げてる。
……………ちょっとそのマスターに興味湧いてきた。
「何時に行く?」
カナさんが俺の顔をぼっとみつめてぽっとなる。
このまま頭から丸呑みしたい。
「………いいの?」
「お祝いしてくれるんでしょ、逆に行かなきゃ悪い」
それに貴女がずっと俺以外の男の事を気にするのも気に入らない。
「その代わり、俺は飲まないよ」
「………何で?」
「車で行こう。
終電の心配したくないから。
それに。
間違いが起こらないようにしっかり監視せねば」
慌てて両手を口に持ってくカナさん。
今、ブッて笑おうとしたね。
だめだよ、もう。
しっかりしつけなきゃだ。
「連絡しておくわね」
うん。一人で行く、なんてノンノンだからね。
「………バレンタインの日は、仕事なの」
了解。
俺なんかその日がど真ん中だ。お互い忙しい。
?
他にもまだ何かあるのか?
何か言いたそうだ。じっと見てたら流石に照れたのか、斜め下に視線をずらす。
「だから…………その……………11日はお泊りしない?」
お泊り?
「どこに?」
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