誰かのために作るチョコ

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「できた!! どう?まぶしたチョコスプレーが、いい感じだよね?そう思わない?」 娘が得意げに笑う。 「そうだね。でもちょっと、こっちのはココアパウダーつけすぎじゃない?」 べつにそれほど悪くはないのに、娘のこととなると、どうしてもダメ出ししてしまう自分。 この子なら、もうちょっとできるはず!という親心。 「そっかぁ。じゃココアのは入れるのやめておこうかな。 食べてマズいと思われたら嫌だし」 こんなにも娘のハートをつかんでる相手が、どんな男の子なのか気になるな。 カッコイイの?顔はともかく性格が問題だ。 最近の小学生は大人びてると聞くし、こんなのがきっかけで、つき合うことになんて、なったりしないよね? …いやいや、つきあうって何するんですか?小学生が。 「綺麗にできたのだけ、袋に詰めればいいんじゃない?」 でも、可愛い娘の想いは叶えてやりたい。 こんなに頑張ってつくったのに、美味しくない、なんて言われたら、傷つくだろうし。 「そうだね、そうする。 あぁでも、ちょっと余っちゃったね。どうしようかな?」 「じゃあ、それママにちょうだいよ」 言ったら、娘に不思議そうな顔された。 「いいけど、どうするの?食べるの?」
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