1671人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
その後は思い思いに会場内を見学して回った。
その間ずっと手は繋がれっぱなし。
恋乃香と呼び捨てにし、時々微笑まれ、なんでもないことでも耳打ちをされた。
二神さんのやりたい放題…。
本物の恋人扱いに、おかしくなりそう…!
婚礼料理の無料試食会にも参加した。
「うわ。美味しそう!」
前菜料理や、メインディッシュのお肉料理、デザートまで振る舞われて、たっぷり堪能できる内容だった。
「食事に拘る新郎は多いからね」
「へぇ?! …勉強なります!」
キラキラに磨かれたナイフとフォークを握り、パクパクと料理を口に運びながら私は二神さんの話に耳を傾けた。
「…美崎さん、本当美味しそうに食べるね」
「ええ。これ、最高です!」
本当にどれも美味しい。
見た目も鮮やかな盛り付けは女性が喜びそうだし、食べていて飽きない上品な味付けは、老若男女関係なく好まれそう…!
二神さんは私の食いっぷりに目を細め、にこりと笑った。そして、
「今度、美崎さんを食事に誘ってもいい?」
あまりにも突然、さらりと発言した。
最初のコメントを投稿しよう!