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「お困りですか?」
「あ……セレナさん」
掲示板を前に頭を抱えていたサラに受付嬢(セレナという名前らしい)が話しかけた。
「ギルドが沢山ありすぎて中々決まらないんです……おすすめとかありますか?」
「んー……お勧めのギルドですか……そうですね」
セレナは掲示板を見渡す。
一つ一つをじっくり見ているわけではなく、どうやら目当てのギルドを探している様子だ。”お勧め”の目星はついているらしい。
「私がいつもお勧めしているギルドは……ステレオン、ヒュグロン、アトミスあたりでしょうか」
セレナは掲示板の張り紙を順に指差しながら答えた。
「この三つはアヴェントの中でも特に勢力の大きなギルドです。無難なところ、といった感じでしょうか」
「へぇ……」
確かに概要に記された大まかなメンバー数がほかに比べて比較的多い。どれも人気のあるギルドのようだ。
「所属している冒険者もいろいろなクラスが居ますから、パーティーを組むのにも困りません。魔術師クラスも多いので師になってくれる人も居るでしょう」
「師匠……ですか」
サラは魔術師になったといえど素人だ。当然、魔法を教えてくれる師匠が必要になってくる。
一応、武器を使えば一人でも戦えないことはないが……まあ、弱い魔物と一対一が関の山だろう。それにサラはまだ魔法を全く使えない。
セレナはそういう意味も込めて、サラにギルド加入を勧めているのだが。
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