第1章「死は私から…」

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闇の中で誰かが言った私に。 お前の命とお前の大切な仲間の命、どちらが大切か?と。 私は目を覚ました。そこは大学病院の一室でパイプ椅子で父が私が目を覚ましたことを喜んだ。 担当の女医によると私は疲労困憊と顎からの出血が原因だと結論づけた。私が目を覚ましたのは無人島キャンプの最終日。つまり福岡少年自然の家でみんなが感想を言い合う日だ。 私は女医に無理を言って無理矢理退院して父の運転する車で福岡少年自然の家に向かった。 ギリギリ間に合い私が会場に到着すると職員が英雄の帰還のような言い方で壇上から呼び掛けた。拍手が割れんばかりに起きてサチヨは私にイルカのペンダントを首にかけてくれた。 こうして無人島キャンプはなんとか終わったのである。
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