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わたりきってから気づいたのですが、そのはしは少しはなれて見ると、鳥のくちばしのかたちにも見えました。
わたりきったそのきみょうなかたちのはしの先には、はたしてあおじろくひかるものがありましたが、それは小さな山小屋の中から出てくるあかりでした。
ふと、そのあかりがつよくなりました。誰かがとびらをあけて、でてきたのです。
山小屋の中から出てきたのは、キアよりもひとまわり大きいくらいの少女と、キアと同じくらいのとしに見える男の子でした。
「はあ、はあ、やっとにげてこられたわね…。ここはもう自由の国かしら。」
「ねえちゃん、こわかったよ。もうぼくこわいのはいやだよ。」
「もうだいじょうぶよ、きっとここは安全よ。あ、もし、おじょうさん、ここは自由の国ですか?」
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