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キアは、その少女の言葉を聞いて、青いひとみの少年の言葉を思い出し、自由の国に行ったとしてもかならずしも自由になれるわけではないな、と思ったのですが、あおじろいほのおをひとみにやどす少女となきじゃくる男の子を前にして、そんなことを言えるじょうきょうではなかったので、むねのおくにそっとしまいこみました。
「あ、アイスフォーゲルがぼくたちをよんでいるよう、ねえちゃん。」
「ほんとね、アイスフォーゲルの青いはねがわれわれを自由の国へとみちびいてくれるようです。」
少女がそう言うと、少女と男の子はまた山小屋のとびらをあけ、中に入っていきました。
すると、山小屋全体があおじろいひかりにつつまれ、次のしゅんかんには小さな山小屋はあとかたもなくきえてしまったのでした。
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