ふうさされたトンネル
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「帰る家なんてさいしょからなかったんだよ、おれも、おまえも。 わかるかい、だいっきらいな国にいつづけなければならぬ者の気持ちが。 わかるかい、だいっきらいな家に、ずっと閉じこめられている者のかんじょうが。」 「わからないわ。わたし、今とても家に帰りたい気持ちでいっぱいなの。」 キアは、青年の言っていることにきょうふを感じましたが、おくせずはんろんしたのでした。
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