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その青年のはきすてたセリフは、キアにはところどころわからない点もありましたが、キアはこんがらがりそうな頭をいっしょうけんめいしぼってこう言い返しました。
「あなたの家の考え方というのは、とってもせますぎると思うの。わたしにとっていえって…。家って、その家が立っている場所だけじゃなくて、友だちと遊ぶ公園もそうだし、楽しいことやためになることを学ぶ学校もそうだし、もちろん大好きなお父さんお母さん、大好きなおばあちゃんおじいちゃん、大好きな友だちその人自身も家族って言えるし、帰りみちに、やさしく声をかけてくれる近所のおじさんやおばさん、肉屋や魚屋のお店の人もそう、みちすがらじゃれあったわんちゃんやこねこちゃんもそうだし、うらやまで見つけたたんぽぽのわたげも、おがわのほとりでさえずる小鳥たちもそう。
そう、この帰りみちのまちぜんぶが、キロの国ぜんぶが、自由の国だって第三帝国だって、あなたのだいっきらいな黄金の国だって、世界ぜんぶが、わたしにとっての、みんなにとっての家で、世界に生きているみんながぜんぶ、家族なんだって思うの。(わたし、今までずっと家にいたんだわ。)」
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