11人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、帰りのうたが聞こえているわ。はやく帰んないと。バイバイ、キア。」
「うん、さようなら、クレア。…。またわたしひとりかあ。」
キアーヴは、うすくらくなった公園のまんなかで、ちょうどゆうぐれとともにま東にあらわれたいちばん星をながめました。
この時間になると、いつもキアーヴはこまってしまっていたのでした。
なぜなら、帰る家の方向がまったくわからなかったからです。
もう何日も、このなじんだはずのまちの中を、ぐるっとなんしゅうもなんしゅうも歩きまわっていたのでした。
最初のコメントを投稿しよう!