第1話 ずっと続けている日課

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 ぼーっと空を見上げているうちに、六時間目の終業のチャイムが鳴った。  先生が教室から出て行くと、クラスのみんなが一斉に席を立ち、教室は一気に騒がしくなる。  椅子や机を引きずる音。  クラスメイトの足音に話し声。  メールやLINEの着信音。  意味不明なことを叫びながら、教室を走り回る男子。  黒板消しの煙がもうもうと立ち込める。  あたしは自分の席に座ったまま、またぼーっと空を見上げる。  今日も、ほとんど勉強しなかった。  教科書も読まなかった。  ノートに何も書かなかった。  シャーペンの芯は全く減っていない。  来年は高校受験が控えているけど、あまり勉強する気にはなれない。 「今日も部活休むの?」 「うん。いかなーい」 「そっか。じゃあ、また明日ね」 「うん。また明日ね」  部活は楽しいけど、まだ行く気にはなれない。
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