第1話 ずっと続けている日課

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 ガタガタと開け閉めの音がする下駄箱で靴を履き替えて、両手に手袋をはめて、昇降口から外に出た。  冬の西日がちょっと眩しい。  ぼーっと空を見上げながら、あたしは一人で歩いて帰る。  一人で歩いて帰るのにはもう慣れた。  いつもの道を、とぼとぼとぼとぼゆっくり歩く。    三時三十八分、青空公園に到着。だいたいいつもと同じ時間。  お日様の柔らかい日差しが降り注ぐ中、砂場で遊んでいる小さな子供たちの姿が目に映る。  背中にランドセルを背負ったまま、滑り台で遊んでいる小学生。  楽しそうに井戸端会議をしているママさんたち。今日は、七人もいる。  ベンチに座って、タバコを吹かしているおじいさん。  だいたいいつもと同じ光景。  今日も、ブランコには誰も乗っていない。  あたしが生まれる前からある、古びたブランコ。  支柱の塗装は剥げていて、鎖は錆び付いている。板の表面はボロボロ。四つとも同じ状態。  乗る度に、ギコギコギコギコ音が鳴る。  青空公園のブランコが、新しくなるという噂がある。  できることなら、新しくしないでほしい。
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