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「あ、ノリコ!ほら、私が前に言った《ノリコとタマミで『ノリタマ コンビ』》あれの発祥になった彼よ」
── 動揺を隠しきれない私達に気付かず明るく無邪気に話タマミ。
「……『またね』って。迎えに来てくれるって…私、ずっと待ってたのに……」
俯き、ポツリポツリと静かに告げるノリコの足元に水滴が落ちる。
「……… ノリコ?」
流石にノリコの異変を感じたタマミが眉をハの字にし、無言でノリコを見つめる私と彼女を交互に見比べた。
「………… ノリコ。」
私が声を掛けようとした瞬間、ノリコは弾かれたように俯いていた顔をあげ、まだ涙で揺れる瞳のまま──── あの日、別れを告げた日と同じ悲しい微笑みを浮かべた。
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